鼠径ヘルニア手術後も膨らみが残るのは再発?原因と受診の目安|【専門書執筆医】が解説
神奈川県川崎市にある鼠径ヘルニア専門クリニック「神奈川そけいヘルニア日帰り手術クリニック 川崎武蔵小杉」です。
鼠径ヘルニア手術を受けた後、
- 膨らみが残っている
- まだしこりがある
- 脱腸が治っていないのでは?
- 再発してしまったのでは?
と不安になる方は少なくありません。
実際、当院の術後診察でも、約1割の患者さんから膨らみやしこりについてご質問をいただきます。
しかし、術後早期にみられる膨らみの多くは再発ではなく、手術後の正常な変化や経過の一部であることがほとんどです。
今回は、鼠径ヘルニア手術後に膨らみが残る原因や再発との違い、受診の目安について解説します。
術後に膨らみが残ることは珍しくありません
まず知っていただきたいのは、手術直後に完全に平らになるとは限らないということです。
特に、
- 大きな鼠径ヘルニア
- 陰嚢まで膨らみが下がっていたヘルニア
- 長期間放置されていたヘルニア
では、術後もしばらく膨らみが残ることがあります。
患者さんの中には、
「手術をしたのにまだ出っ張っている」
「脱腸が治っていないのではないか」
と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、術後の膨らみは決して珍しいものではなく、多くの場合は時間の経過とともに改善していきます。
術後1週間で膨らみが残っていても慌てる必要はありません
術後1週間前後は、患者さんが最も不安になりやすい時期です。
実際に当院の術後診察でも、
- まだ膨らみが残っています」
- 再発してしまったのでしょうか」
- 手術前と同じように見えるのですが大丈夫ですか」
といったご相談をいただくことがあります。
しかし、術後1週間程度で膨らみが残っていること自体は珍しいことではありません。
これは手術によってヘルニアを修復した後も、
- ヘルニアが入っていた空間に体液がたまる
- 組織の腫れや炎症が残る
- 治癒過程で一時的な硬さが生じる
ためです。
実際、この時期の膨らみの多くは漿液腫や術後変化によるものであり、再発であることは多くありません。
そのため、術後1週間で膨らみが残っていても、まずは慌てずに経過をみることが大切です。
術後の膨らみの主な原因
漿液腫(しょうえきしゅ)
最も多い原因です。
ヘルニアが入っていた空間に体液がたまることで生じます。
特に陰嚢まで下がっていた大きな鼠径ヘルニアでは、漿液腫が大きくなることもあります。
特徴としては、
- しこりのように触れることがある
- 強い痛みは少ない
- 徐々に小さくなる
- 発熱などは伴わない
ことが多く、通常は数週間から数か月で自然に吸収されます。
術後の膨らみを再発と勘違いされる原因として最も多いものです。
術後の腫れや炎症
手術による組織反応として、軽度の炎症によるむくみが生じることがあります。
これは傷が治る過程で起こる正常な反応であり、多くの場合は心配ありません。
術後数週間は触ると少し硬く感じることもあります。
血腫(けっしゅ)
手術後の少量の出血が皮下にたまることで生じます。
しこりのように触れることもありますが、多くは時間とともに自然に吸収されます。
陰嚢まで大きく下がっていたヘルニアでは、陰嚢が一時的に腫れることもあります。
術後1か月でも膨らみが残ることがあります
当院でも術後1か月前後の患者さんから「まだ膨らみがありますが大丈夫でしょうか」というご相談をいただくことがあります。
漿液腫や術後の腫れは、必ずしも数日で消えるわけではありません。
特に大きな鼠径ヘルニアだった場合には、膨らみが完全に落ち着くまで時間がかかることがあります。
実際には、漿液腫は数週間で改善することもありますが、大きなヘルニアでは1〜3か月程度残ることもあります。
また、陰嚢までヘルニアが下がっていた方では、術後1か月の時点でも膨らみやしこりを感じることは珍しくありません。
大切なのは、「まだ膨らみがあるか」ではなく、「徐々に小さくなっているか」という点です。
時間の経過とともに少しずつ改善している場合は、多くが正常な術後経過と考えられます。
一方で、
- 急に大きくなった
- 強い痛みがある
- 発熱を伴う
- 赤く腫れている
といった症状がある場合には、予定の診察日を待たずにご相談ください。
当院では術後診察で創部や鼠径部の状態を確認し、必要に応じて超音波検査も行っています。
気になる症状がある場合は、お一人で悩まずお気軽にご相談ください。
再発との違いは?
患者さんが最も心配されるのが再発です。
しかし実際には、術後早期にみられる膨らみの多くは再発ではありません。
特に術後数週間から1か月程度の時期は、漿液腫や術後の腫れによる膨らみであることが少なくありません。
再発の場合には、
- 立つと大きくなる
- 力むと膨らむ
- 横になると小さくなる
- 術前と似た感覚がある
など、手術前と似た症状がみられることがあります。
ただし、見た目だけで再発かどうかを判断することは困難です。
当院でも「再発したのではないか」と心配して受診される患者さんは少なからずいますが、実際には、診察や超音波検査を行うと、漿液腫や術後変化であることが多くみられます。
どのくらいで改善する?
多くの場合は数週間から3か月程度で徐々に改善していきます。特に陰嚢まで下がっていた大きなヘルニアでは、完全に落ち着くまで数か月かかることもあります。膨らみが残っていても、時間の経過とともに徐々に小さくなっている場合は、過度に心配する必要はありません。
このような場合は早めに受診しましょう
以下の症状がある場合は、予定の診察日を待たずにご相談ください。
- 急に大きくなった
- 強い痛みがある
- 赤く腫れている
- 発熱を伴う
- 徐々に悪化している
- 傷から液体が出ている
感染や血腫などの対応が必要な場合があります。
当院での考え方
当院では術後診察の際に、創部、鼠径部、陰嚢の状態を確認しています。
また、必要に応じて超音波検査を行い、漿液腫や再発の有無を評価しています。
術後の膨らみの多くは漿液腫や術後反応によるものであり、必ずしも再発を意味するわけではありません。
院長は3,000件以上の鼠径ヘルニア手術に携わり、鼠径ヘルニア手術の専門書執筆や若手外科医への技術指導も行っています。
術後の経過についても数多く経験していますので、気になる症状がある場合は、お一人で悩まずお気軽にご相談ください。
まとめ
- 手術後に膨らみが残ることは珍しくない
- 最も多い原因は漿液腫
- 多くは自然に改善する
- 術後早期の膨らみ=再発ではない
- 見た目だけで判断することは難しい
- 気になる場合は診察で確認することが大切
鼠径ヘルニアは当院までご相談ください

神奈川そけいヘルニア日帰り手術クリニック 川崎武蔵小杉は、鼠径ヘルニアの治療に特化した日帰り手術専門クリニックです。腹腔鏡による低侵襲手術を標準治療とし、身体への負担を抑えながら、手術当日にご帰宅いただける体制を整えています。
執刀は、鼠径ヘルニア治療において豊富な臨床経験と学術実績を有する星野明弘院長が担当し、診断から手術、術後フォローまでを一貫して行っています。
受診予約は、お電話またはWeb予約にて承っております。
鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。



