鼠径ヘルニアは何科を受診?外科・消化器外科を選ぶ理由と受診の目安
神奈川県川崎市にある鼠径ヘルニア専門クリニック「神奈川そけいヘルニア日帰り手術クリニック 川崎武蔵小杉」です。
足の付け根にふくらみが現れたり、立ったときや力んだときに違和感を覚えたりして、「何科を受診すればよいのだろう」と迷われる方は少なくありません。こうした足の付け根のふくらみは、鼠径ヘルニアにみられる代表的な症状です。
本記事では、鼠径ヘルニアが疑われる場合に受診すべき診療科として、なぜ外科・消化器外科が適しているのかを解説するとともに、治療法や受診の目安について解説します。
鼠径ヘルニアは何科を受診?
鼠径ヘルニアが疑われる場合、受診すべき診療科は「外科」または「消化器外科」です。
鼠径ヘルニアは、症状が現れる部位が鼠径部(足の付け根)であり、下腹部や陰部に近いことから、男性では泌尿器科、女性では婦人科を受診されるケースもみられます。しかし、鼠径ヘルニアの根本的な治療は手術が必要で、診断から治療までを適切に行える診療科は外科、もしくは消化器外科となります。
近年では、外科や消化器外科の中でも、鼠径ヘルニアの診療に特化した専門クリニックが増えています。このような鼠径ヘルニア専門クリニックも、適切な受診先の一つです。
鼠径ヘルニアとはどのような病気か
鼠径ヘルニアとは、お腹の中にある腸や脂肪組織などが、足の付け根にあたる鼠径部の筋肉や筋膜のすき間から皮膚の近くまで飛び出してしまう病気です。一般には「脱腸」とも呼ばれます。
鼠径ヘルニアの症状
鼠径ヘルニアによくみられる症状としては、以下が挙げられます。
- 足の付け根(鼠径部)がふくらむ
※ 立ったとき・力んだときに目立つ - 鼠径部の違和感や軽い痛み
- ふくらみは触ると柔らかく、横になり押すとへこむ

初期の段階では、立ったときや力んだときにふくらみが現れ、横になると引っ込むことが多くみられます。しかし、自然に治癒することはなく、放置するとふくらみが大きくなったり、痛みが出たりすることがあります。
鼠径ヘルニアを発症しやすい人
次のような方は、鼠径ヘルニアを発症しやすい傾向があります。
- 高齢者
- 立ち仕事や、重い物を持つ作業が多い方
- 前立腺の手術を受けたことがある方
- 慢性的な便秘や咳、排尿困難がある方
- 喫煙習慣がある方
また、鼠径ヘルニアは女性よりも男性に多くみられる病気で、特に中高年男性に多いことが特徴です。これは、男性では解剖学的に鼠径部が弱くなりやすいことに加え、加齢による筋力低下や腹圧の影響を受けやすいためと考えられています。
鼠径ヘルニアの治療法について
鼠径ヘルニアの治療は、外科的な手術による治療が唯一の方法です。主な手術方法(術式)には、「鼠径部切開法」と「腹腔鏡手術」の2つがあり、それぞれに特徴があります。
鼠径部切開法について
鼠径部切開法は、現在でも広く行われている、基本的な鼠径ヘルニアの手術方法のひとつです。
鼠径部に約5〜7cm程度の皮膚切開を行い、脱出した腸や腹膜を元の位置に戻した後、弱くなった腹壁を医療用メッシュで補強します。局所麻酔で行うことが可能なため、高齢の方や持病をお持ちの方にも適応しやすい点が特徴です。
長年にわたり行われてきた実績のある術式で、現在も多くの医療機関で採用されています。
腹腔鏡手術について
腹腔鏡手術は、体への負担が少ない低侵襲手術として、近年広く行われるようになってきた術式です。
お腹に5〜10mm程度の小さな切開を3か所ほど設け、そこからカメラと手術器具を挿入し、モニター画面を確認しながら手術を行います。腹腔内から脱出したヘルニアの内容物を元の位置に戻し、内側から医療用メッシュを用いて腹壁を補強する点が大きな特徴です。
切開創が小さく目立ちにくいことや、術後の痛みが少ないこと、回復が早く早期の社会復帰が期待できることなどが腹腔鏡手術の利点とされます。
鼠径ヘルニアを放置すると起こるリスク
鼠径ヘルニアは、根本的な治療が手術に限られます。また、鼠径部という部位の特性から、診察を恥ずかしいと感じて受診や治療をためらう方も少なくありません。しかし、鼠径ヘルニアを放置することには、重大なリスクが伴います。
特に注意が必要なのが、「嵌頓(かんとん)」と呼ばれる合併症です。
嵌頓とは、飛び出した腸などの臓器がヘルニアの穴の部分で締め付けられ、元の位置に戻らなくなる状態を指します。嵌頓は前触れなく突然起こることがあり、放置すると腸への血流が途絶え、短時間で腸壊死(腸が腐ってしまう状態)に進行するおそれがあるため危険です。

鼠径ヘルニア自体は良性の病気ですが、嵌頓を起こすと命に関わる重篤な状態に至ることがあります。そのため、症状を放置せず、早めに医療機関を受診し、適切な治療について相談することが重要です。

