鼠径ヘルニア日帰り手術|帰宅後に困らない準備を専門書執筆医が解説
神奈川県川崎市にある鼠径ヘルニア専門クリニック「神奈川そけいヘルニア日帰り手術クリニック 川崎武蔵小杉」です。
鼠径ヘルニア、いわゆる脱腸の手術を検討している患者さんから、
「日帰り手術で本当に家に帰って大丈夫ですか?」
「帰宅後に痛くなったらどうすればよいですか?」
「手術当日は家で何を準備しておけばよいですか?」
「一人暮らしでも日帰り手術はできますか?」
「家族は何に注意して見ておけばよいですか?」
というご質問をいただくことがあります。
鼠径ヘルニアの日帰り手術では、手術そのものだけでなく、帰宅後に安心して過ごせるかどうかも大切です。
手術が無事に終わっても、帰宅後に痛み、吐き気、食事、トイレ、寝る姿勢、入浴、付き添いなどで不安を感じる方は少なくありません。
しかし、あらかじめ帰宅後の過ごし方や準備しておくことを知っておくと、日帰り手術への不安はかなり軽くなります。
今回は、鼠径ヘルニアの日帰り手術を受ける前に準備しておきたいこと、帰宅後の過ごし方、注意すべき症状について、専門書執筆医の立場からわかりやすく解説します。
鼠径ヘルニア日帰り手術では帰宅後の準備が大切です
鼠径ヘルニアの日帰り手術とは、手術当日に来院し、手術後に院内で一定時間休んだあと、全身状態を確認して当日帰宅する治療です。
日帰り手術では、手術が終わったらすぐに帰るわけではありません。
手術後はリカバリールームで休んでいただき、
- 麻酔からしっかり覚めているか
- 血圧や呼吸状態が安定しているか
- 強い痛みや吐き気がないか
- 歩行が可能か
- 帰宅後の注意点を理解できているか
などを確認します。
そのうえで、当日帰宅しても問題ないと判断した場合に帰宅となります。
ただし、日帰り手術では入院しない分、帰宅後の過ごし方が大切です。
鼠径ヘルニアの日帰り手術では、手術だけでなく、帰宅後に安心して過ごせる準備が重要です。
手術前に準備しておくとよいもの
手術当日は、帰宅後に買い物や準備をするのが負担になることがあります。
そのため、手術前日までに、自宅で必要なものを準備しておくと安心です。
準備しておくとよいものは、次のようなものです。
- 水やお茶などの飲み物
- 消化のよい食事
- すぐに食べられる軽食
- 処方された薬を置く場所
- 体温計
- 清潔なタオル
- ゆったりした服
- スマートフォンや充電器
- 緊急連絡先のメモ
- 必要に応じて便秘対策の食品
特に、手術当日の夕食や翌朝の食事は、あらかじめ用意しておくと安心です。
帰宅後に無理をして買い物に行く必要がないようにしておきましょう。
手術当日の服装と帰宅方法
手術当日は、ゆったりした服装がおすすめです。
鼠径ヘルニア手術後は、足の付け根や下腹部に違和感や張りを感じることがあります。
そのため、
- ウエストを強く締めつけないズボン
- 着脱しやすい服
- 歩きやすい靴
- ベルトで強く締めつけない服装
を選ぶとよいでしょう。
スーツや細身のズボン、硬いベルトなどは、帰宅時にお腹や鼠径部を圧迫して不快に感じることがあります。
また、手術当日は麻酔の影響が残ることがあります。
眠気、ふらつき、だるさ、軽い吐き気などが出ることもあるため、できるだけご家族や付き添いの方と一緒に帰宅できると安心です。
一人暮らしだから必ず日帰り手術ができないわけではありませんが、手術当日から翌日にかけて、必要時に連絡できる体制を整えておくことが大切です。
帰宅後の過ごし方
帰宅後は、まず無理をせず、ゆっくり過ごしてください。
手術当日は、家の中を歩いたり、トイレに行ったり、食事をしたりする程度で十分です。
ずっと寝たままでいる必要はありませんが、無理に動き回る必要もありません。
帰宅後は、
- 長時間の外出は避ける
- 重いものを持たない
- 階段の上り下りを何度も繰り返さない
- 飲酒を控える
- 車や自転車の運転を控える
- 痛みがある場合は無理をしない
ことが大切です。
手術当日は、体が回復する時間と考え、予定を入れずに過ごしましょう。
食事・水分・痛み止めについて
手術後に吐き気がなく、医師や看護師から問題ないと説明を受けていれば、帰宅後に食事をとることができます。
最初は、消化のよいものから始めると安心です。
例えば、
- お粥
- うどん
- スープ
- 味噌汁
- やわらかいご飯
- 豆腐
- 卵料理
- ゼリー
- バナナ
などが食べやすいでしょう。
手術当日は、脂っこい食事や大量の食事は避けた方が無難です。
また、水分はこまめにとりましょう。帰宅直後に一度に大量に飲むと気持ち悪くなることがあるため、水やお茶を少しずつ飲み、体調を見ながら増やしていくと安心です。
痛み止めが処方されている場合は、我慢しすぎずに使用してください。
痛みを我慢しすぎると、動くのがつらくなったり、眠りにくくなったり、トイレに行きにくくなったりすることがあります。
痛み止めは、医師から説明された方法に従って使用しましょう。処方された量を超えて内服したり、自己判断で他の薬を追加したりすることは避けてください。
トイレ・便秘・いきみで気をつけること
鼠径ヘルニア手術後に、患者さんが不安になりやすいのが排便です。
「トイレで力んだら再発しませんか?」
「便秘になったらどうすればよいですか?」
「手術後にお腹に力を入れて大丈夫ですか?」
と心配される方もいます。
手術後に排便すること自体は問題ありません。
ただし、強く長時間いきむことは避けた方が安心です。
便秘を防ぐためには、
- 水分をこまめにとる
- 食物繊維を適度にとる
- 無理のない範囲で歩く
- 便意を我慢しない
- 必要に応じて便秘薬を相談する
ことが大切です。
術後に数日便が出ない場合や、強くいきまないと出ない場合には、無理をせず医療機関へ相談してください。
術後の排便では、強くいきみすぎないことと、便秘を予防することが大切です。
寝る姿勢・シャワー・入浴について
鼠径ヘルニア手術後の寝る姿勢に、絶対の決まりはありません。
基本的には、痛みが少なく楽な姿勢で休んでいただいて構いません。
仰向けが楽な方もいれば、少し横向きの方が楽な方もいます。
起き上がるときは、急に腹筋を使って起きるのではなく、横向きになってから腕で支えるようにすると楽なことがあります。
シャワーや入浴の再開時期は、傷の状態や手術内容によって異なります。
多くの場合、医師から説明された時期以降にシャワーが可能になります。一方で、湯船につかる入浴、温泉、プールなどは、傷の状態を確認してから再開する方が安心です。
シャワーや入浴については、退院時に説明された内容に従ってください。不安がある場合は、自己判断せずに医療機関へ確認しましょう。
手術当日は運転を控えましょう
鼠径ヘルニアの日帰り手術では、手術当日の運転は避けてください。
麻酔後は、自分では大丈夫だと思っていても、反応が遅くなったり、判断力が低下したり、眠気やふらつきが残ったりすることがあります。
そのため、手術当日は、
- 車の運転
- バイクの運転
- 自転車の運転
- 危険を伴う作業
- 重要な判断が必要な仕事
は避ける必要があります。
帰宅は、公共交通機関、タクシー、ご家族の送迎などを利用すると安心です。
運転再開の時期は、痛みの程度や薬の使用状況によって異なります。運転中に急な痛みが出たり、ブレーキ操作に不安がある場合は再開を控えてください。
一人暮らしの場合に準備しておきたいこと
一人暮らしの方でも、全身状態や手術内容、帰宅後の連絡体制によっては日帰り手術が可能な場合があります。
ただし、手術当日から翌日は、すぐに無理なく過ごせる準備をしておくことが大切です。
一人暮らしの方は、手術前に次のような準備をしておくと安心です。
- 当日の食事や飲み物を用意しておく
- 薬を分かりやすい場所に置く
- 携帯電話を充電しておく
- 緊急連絡先をすぐ見られる場所に置く
- 必要なものを低い位置に置いておく
- 重い買い物を事前に済ませておく
- 手術当日から翌日に連絡できる家族や知人を決めておく
一人暮らしだから必ず日帰り手術ができないというわけではありません。
ただし、帰宅後に体調不良があった場合に、誰に連絡するか、どの医療機関に相談するかを事前に確認しておくことが大切です。
帰宅後に注意すべき症状
術後に多少の痛み、腫れ、内出血、違和感が出ることはあります。
しかし、次のような症状がある場合には、自己判断で様子を見すぎず、医療機関へ相談してください。
- 痛みが時間とともに強くなる
- 痛み止めを使っても我慢できない痛みがある
- 発熱がある
- 吐き気や嘔吐が続く
- 傷から出血が続く
- 傷が赤く腫れている
- 傷から膿のような液体が出る
- 足の付け根や陰嚢の腫れが急に大きくなる
- 歩くのがつらいほど痛い
- 排尿しにくい
- 強いめまいやふらつきがある
特に、強い腹痛、吐き気や嘔吐が止まらない、息苦しさ、胸の痛み、傷からの出血が止まらない、高熱、急に強い痛みが出て動けない場合には、通常の診療時間を待たず、救急対応が可能な医療機関への受診を検討してください。
術後の不安な症状をすべて自己判断する必要はありません。
「これは様子を見てよいのか」と迷う場合には、早めに相談することが大切です。
手術前に確認しておくと安心なこと
日帰り手術を安心して受けるためには、手術前の診察時に気になることを確認しておくことも大切です。
例えば、
- 手術当日の流れ
- 帰宅までの時間の目安
- 痛み止めの使い方
- 食事や水分の取り方
- シャワーや入浴の時期
- 仕事復帰の目安
- 運動再開の目安
- 緊急時の連絡先
- 一人暮らしの場合の注意点
などを確認しておくと、帰宅後の不安が少なくなります。
診察を受けたからといって、その場で必ず手術を決めなければならないわけではありません。
不安な点を整理し、日帰り手術が自分に合っているかを相談することが大切です。
当院での考え方
私は20年以上にわたり鼠径ヘルニア診療に携わり、これまで3500件以上の鼠径ヘルニア手術に関わってきました。
また、内視鏡外科学会技術認定医(ヘルニア)として診療を行うとともに、、『おさえておきたい腹腔鏡下鼠径部ヘルニア修復術のすべて』の執筆にも携わりました。
その経験から感じるのは、鼠径ヘルニアの日帰り手術では、手術の技術だけでなく、帰宅後に安心して過ごせるように準備することも大切だということです。
日帰り手術は、患者さんにとって負担を抑えやすい治療方法の一つです。
しかし、すべての患者さんに日帰り手術が適しているわけではありません。
当院では、ヘルニアの状態、全身状態、持病、内服薬、帰宅後のサポート体制などを確認したうえで、日帰り手術が安全に行えるかを判断しています。
また、帰宅後に困らないよう、痛み止めの使い方、生活上の注意点、連絡が必要な症状などについて説明しています。
日帰り手術では、手術そのものだけでなく、帰宅後の安心まで含めて準備することが大切です。
よくある質問
Q. 鼠径ヘルニアの日帰り手術後、本当にその日に帰宅できますか?
全身状態が安定し、歩行や痛み、吐き気などに問題がなければ、当日帰宅できる場合が多くあります。
ただし、患者さんの状態によっては、日帰り手術が適さない場合もあります。
Q. 帰宅後に痛くなったらどうすればよいですか?
処方された痛み止めを、医師の説明に従って使用してください。
痛み止めを使っても我慢できない痛みがある場合や、痛みが時間とともに強くなる場合は、医療機関へ相談してください。
Q. 手術当日は一人で帰れますか?
手術当日は麻酔の影響が残ることがあるため、できるだけ付き添いの方と帰宅できると安心です。
一人暮らしの方や付き添いが難しい方は、事前に医師へ相談してください。
Q. トイレでいきむと再発しますか?
排便すること自体は問題ありません。
ただし、術後早期に強く長時間いきむことは避けた方が安心です。
便秘を防ぐために、水分をとり、無理のない範囲で歩くようにしましょう。
Q. 一人暮らしでも日帰り手術はできますか?
一人暮らしだから必ず日帰り手術ができないわけではありません。
ただし、手術当日から翌日にかけて連絡できる家族や知人がいるか、緊急時に相談できる体制があるかを確認しておくことが大切です。
まとめ
鼠径ヘルニアの日帰り手術では、手術そのものだけでなく、帰宅後に安心して過ごせる準備が大切です。
手術前には、飲み物、食事、薬、ゆったりした服、緊急連絡先などを準備しておくと安心です。
帰宅後は、無理をせず、軽い日常生活から始めます。食事や水分は体調を見ながら少しずつとり、痛み止めは我慢しすぎずに使用しましょう。
便秘や強いいきみを避けること、手術当日の運転を控えること、一人暮らしの場合は連絡体制を整えておくことも大切です。
また、強い痛み、発熱、吐き気、傷の異常、急な腫れ、強いふらつきなどがある場合には、自己判断で様子を見すぎず医療機関へ相談してください。
鼠径ヘルニアの日帰り手術は、帰宅後の過ごし方をあらかじめ知っておくことで、より安心して受けやすくなります。
日帰り手術後の生活が不安な方、一人暮らしで手術を迷っている方、帰宅後の過ごし方について詳しく知りたい方は、一度ご相談ください。
鼠径ヘルニアは当院までご相談ください

神奈川そけいヘルニア日帰り手術クリニック 川崎武蔵小杉は、鼠径ヘルニアの治療に特化した日帰り手術専門クリニックです。腹腔鏡による低侵襲手術を標準治療とし、身体への負担を抑えながら、手術当日にご帰宅いただける体制を整えています。
執刀は、鼠径ヘルニア治療において豊富な臨床経験と学術実績を有する星野明弘院長が担当し、診断から手術、術後フォローまでを一貫して行っています。
受診予約は、お電話またはWeb予約にて承っております。
鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。



